フィラリア症は蚊に刺されることで感染する寄生虫疾患です。5月~12月が推奨する予防期間となっています。
◎フィラリア予防をスタートする前に注意があります。
フィラリアという寄生虫には成長ステージ(L1~L5)があり、最後に成虫になります。
蚊が血液を運ばないと成虫が生んだミクロフィラリア(L1)は成長することができず、犬の血管内で一生L1のまま寿命を迎えます。
感染している犬にはこのミクロフィラリア(L1)が血液内に多数(数万~数十万隻)泳いでいて、知らずにフィラリア予防薬を投与すると、このL1が同時に死んでしまい、犬自身がショックを起こす危険があります。
このためフィラリアに感染している犬には慎重に投与しなければなりません。
フィラリア予防薬は親虫(成虫)が生んだ子虫(ミクロフィラリアL1)を殺すことを目的としていません。
実は蚊が感染犬の血を吸うときにL1が一緒に蚊の体内に移動し、蚊の体内でL1からL2、L3と成長します。
この蚊がやってきて別の犬の血液を吸うときに蚊のL3が犬に飛び移って感染します。
犬の体内に移動すると直ぐにL4に成長します。このL4をフィラリア予防薬が殺してくれます。
L5に成長してしまうとフィラリア予防薬ではもう殺せなくなります。
注意
フィラリア予防薬の投与の前にはフィラリアに感染していないことの確認が必要です。
フィラリアの成虫に感染していないことの確認方法
血液検査でフィラリア抗原検査を行います。
また血液中にL1がいないか顕微鏡で血液を観察します。